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緑化樹木供給・技術情報

トピックス(平成22年度)

家禽の羽根から作られた生物分解性植木ポット(Biodegradable Nursery Pots:BNP)

重さ5ポンド(約2.3kg)の鶏の1/3ポンド(約150g)は羽根の重さに相当する。年間6億2,500万羽以上のブロイラー用鶏が、デルマーヴァ半島(Delmarva Peninsula、米国東部デラウェア州、メリーランド州、バージニア州一帯)で生産されている。それらは羽根の重さにして4,200万ポンド(約18,900トン)に相当する。1年間に米国の家禽産業によって、およそ鶏の羽根40億ポンド(約180万トン)が廃棄されていることから、羽根は農業廃棄物の中で最もあり余っている材料の1つと見なすことができる。

BNPプロジェクトは、このような家禽の羽根を生物分解性植木ポット製造のために、付加価値のある生産物に変換することが可能な技術を開発することをねらいとしている。

羽根からポットが生まれるイメージ
羽根からポットが生まれるイメージ

米国において、家禽生産から発生する年間に利用できる乾燥羽根は20億ポンド(90万トン)以上にもなる。現在、羽根から作られる一般的な最終生産物は飼料としての粉餌(ふんじ)である。羽根はもっぱら生体構造の蛋白質ケラチンから成り、天然の生物ポリマーとして、ケラチンは自立した、持続性のある更新可能な生物分解性の素材である。商業的に有用となり、実行可能な形で付加価値のある生産物を作るためにケラチンを収穫することは、試験的規模のレベルで成功することが証明された。模範的な生産物としては、多孔質空気フィルター、絶縁マット、強力軽量な蛋白質由来の建設資材、合成ポリマー、生物分解性農業用雑草抑制フィルムなどが考えられる。

開発者の1人Walter Schmidtは農業研究機関(ARS)の化学者で、1993年以来廃棄された鶏の羽根に関する実際の用途開発に取り組んできた。もう1人のMasud HudaはHRI(園芸研究所)の研究者である。

米国では2000年、年間約4億7,000万ポンド(211,500トン)の非生物分解性の石油由来ポット(1.8兆個のポット)が、温室・植木産業により購入された。

 

ケラチン羽根繊維
ケラチン羽根繊維

「ポットは見た目も感じも地元の植木業者の所で見られる他のプラスチック・プランターと変わらない」「しかし、それらは自然に分解するものから作られ環境に害を与えない。事実、ポットがいかなる石油成分も含まずに製造されて、やがてそれらはゆっくりと有益な窒素を土壌にもたらしてくれる」

「私たちの製造プロセスは、最初に鶏の羽根をシュレッダーにかけ、刻まれた材料を粉末にする。次に粉末をペレットに変換する。さらに、現在市販されている機器を用いてフラワーポットを作る。私たちはペレットを生物分解性ポットへ変換させている」「大きさ2ガロン(約7.6リットル)のフラワーポットは1羽の鶏の羽根から作ることができ、1台の機械で1日7,000個のポットを製造できる」

 

ポット製造の動画
出典: http://www1.voanews.com/から
Scientists-Convert-Feathers-Into-Biodegradable-Plasticを検索、ポット製造の動画が掲載。

羽根由来フラワーポットの先駆者として、SchmidtおよびはARSの研究員Justin Baroneは、2002年に羽根から派生するプラスチックは他のいかなるプラスチックとも同じように成形でき、ポリエチレンやポリプロピレンのようなプラスチックに非常に似た特性を保持していることを発見した。「これは羽根派生プラスチックのユニークな梱包資材になる、あるいは高い強度や生物分解性を求めるその他の仕様に活かせる」とSchmidtは強調した。2006年に、ARSはケラチン利用プロセルのパテントを取得した。羽根から作られる耐久性のある、繊維質の生物資材、薄いポリマーフィルムの製造、シーツのようなプラスチック、石油由来生産物との混合物の製造などを考慮している。

Schmidt とHudaは、目下生物分解性フラワーポット開発に従事している。「ポット製造業者数社が、この段階で、コンテナ用成形仕様にもとづく最適な生産規模を決定するためにプロジェクトに参加している」とSchmidtは指摘した。

「緑の園芸用生産物は、生物分解性プラスチックの創出による環境問題の解決を支援するばかりでなく、鶏の羽根の費用対効果の高い商業利用を提供するものとなる。」

出典:USDANews Volume 68 No.5 Article 5

 

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