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 高田松原再生講座(第3回)報告

平成29年(2017)2月4日(土)、岩手県陸前高田市コミュニティホールにおいて、NPO法人高田松原を守る会一般財団法人ベターリビング一般財団法人日本緑化センターの3組織共催による高田松原再生講座(第3回)を開催しました。

 

会場の様子

 


ベターリビング 有馬グループ長
開会の挨拶では、(一財)ベターリビング・有馬正子 住宅部品評価グループ長が、

「ブルー&グリーンプロジェクトを通して育てているクロマツ苗木を、今年からいよいよ松原に植える段階となり、引き続き植栽と保育のお手伝いをさせていただきたい」

と伝えられました。

高田松原を守る会 鈴木理事長
次に主催者を代表して、NPO法人高田松原を守る会の鈴木善久理事長が、

「高田松原への市民の思いを表した絵手紙、詩、作文等の作品募集を行い、117点が寄せられた。高田松原再生活動の大きな一歩として、今年から松原に植栽が始まる。多くの人たちの力を集めて松原再生を着実に進めたい」

と述べられました。

日本緑化センター 瀧企画広報部長
続いて、当センター・瀧企画広報部長より、

「平成28年度の活動報告」を行いました。

 

平成28年度の活動内容

 

平成28年度は7つの活動を進めました。


1)小友町での試験植栽(2年目)

試験植栽地平面図

図1 試験植栽地

 

小友町に松原の植栽基盤に使う同じ土を1m盛土して、アカマツとクロマツの苗木を植えました。

試験の目的は、土の締まり具合による根の伸びや排水不良への影響を確認することです。

風の影響を均一にするため、防風柵で囲い、苗木1本ずつに衝立を付けます。

試験区Aは重機で締め固める、Bは重機で締め固めた後表層を耕耘、Cは普通に盛る(重機による締め固めなし)という3タイプです。

すでに、内陸側から切り崩し、根の生育などを調べています(図1グレーの部分)。

 

生育状況の比較

図2 生育状況(画像クリックで拡大)

 

図2の上段は2015年11月に調査した結果です。C区はほぼ元地盤近くまで根が伸びていました。

下段は2016年11月の結果です。A・B区は中間停滞水により根腐れを起こしていました。C区も雨水の浸透により停滞水が発生し、やはり根腐れを起こしていました。本植栽では、停滞水への対策が必要となります。

 

2)抵抗性クロマツ苗の育成

山形県の庄内海岸砂防林にある森林組合で、抵抗性クロマツ苗をマルチキャビティコンテナと呼ばれる容器で育てています(1枚のトレーで40本)。


3)樹脂道によるマツ苗の判定

マツ葉を輪切りにすると、かまぼこのような半円形になり、樹脂道が白い点で見えます。

樹脂道の位置と数からアカマツ型かクロマツ型かを判定します。

奇跡の一本松は、丁度中間型でした。

現在、高田松原由来のおよそ600本の判定を進めており、松原への植栽や奇跡の一本松後継樹の育成に役立てます。


4)みんなで竹簀をつくる

竹簀は強風から苗木を守り初期の生育を助け、雨水を効率良く地中へしみ込ませて苗木の乾燥を防ぎます。しかも、多くの市民や全国の人たちに再生活動へ参加していただく手段となり、竹資源の有効活用にもつながります。

1年目の植栽に必要なおよそ3,000枚はすでに完成していますが、2年引き続き製作を続ける予定です。

市民や全国の松原で活動しているグループなどに協力を呼びかけます。

 

5)「高田松原再生講座」の開催

高田松原の歴史、文化、環境、地元とのつながりについて学び、松原再生活動のエネルギーを持続し、次世代へ再生活動を継承することを目的に、本講座を毎年行う予定です。

講座を通して、市民の皆様の松原に対する一層の理解と、今後始まる松原保育活動の核となるボランティアを育てます。

 

6)「わたしの高田松原」作品募集

記憶に残る高田松原の絵・作文などを気仙地域の市民の皆様から募集しました。

講座当日には、1階ロビーに作品を展示し、作品の表彰を行いました。

今後、できれば作品を陶板などに仕上げ、松原のどこかに恒久的に設置することも考えています。

 

7)松原での試験植栽

平成29(2017)年度からは、いよいよ植栽が始まります。

市・県による植栽に歩調を合わせて、 高田松原を守る会と一体に、市民・市でボランティア活動に従事した人たち・各地の松原保全活動グループをはじめ、大勢の参加者を募り植栽と保育を行います。

 


森林総合研究所東北支所 小野氏
 
その後、講演に移り、 国立研究開発法人森林総合研究所 東北支所の小野賢二氏から
「盛土工を伴う海岸林再生の現状−小友試験地の根系調査から明らかになったこと」


次いで、岩手県大船渡農林振興センター 森林保全課 主任主査 萩谷義久氏より
「高田松原地区海岸防災林造成事業」
について、

さらに、山形県 最上総合支庁産業経済部森林整備課 課長 梅津勘一氏からは、
「住民参加による植栽と保育管理」
について解説いただきました。

岩手県大船渡農林振興センター 萩谷氏
 

山形県最上総合支庁 梅津氏

 

この後、「わたしの高田松原」作品コンクール入賞作品の発表が行われ、作文を書いた気仙中学校の生徒など24人が表彰されました。

 

また、昨年に続き、高田松原を守る会とボランティアの方々の指導のもと、「強い風からマツ苗を守ろう! 高田松原の竹簀づくり」を参加者の皆様に体験していただきました。守る会では、現在およそ4,000枚の竹簀を完成させています。

 

コンクール応募作品の展示

 

コンクール受賞者の表彰

 


竹簀づくり体験1

竹簀づくり体験2


 

最後に、日本センター・浦田啓充専務理事が閉会の挨拶を行い、約100名にご参加いただいた講座を終了しました。


この講座は、毎年1回行う予定です。

 

リンク 第3回講座の開催案内とプログラム

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