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−平成19年度「樹木と緑化の総合技術講座」テキストより一部抜粋−
 
 ●目次
ページ
講座名
講師
3
菌根菌と樹木の健康

岡部宏秋(独立行政法人森林総合研究所微生物生態研究室長)

3
樹木の分類 濱野周泰(東京農業大学准教授)
3
森林生態と物質循環 只木良也(名古屋大学名誉教授)

■ 菌根菌と樹木の健康 講師:岡部宏秋(独立行政法人森林総合研究所微生物生態研究室長)
   
 
1.はじめに
2.菌根の種類と構造
3.菌根菌の種類と特徴
 1)AM菌
 2)外生菌根菌
 3)その他の菌根菌
4.菌根の成立
 1)菌根化のみちすじ
 2)菌根化の条件
 3)菌根化による根系の変化
5.菌根菌の生態機能
 1)菌根圏の微生物社会
 2)菌根菌の生存戦略
 3)菌根菌による植物根系の連結
 4)菌根菌の遷移
 5)菌根菌と土壌動物
 6)菌根と水環境
6.菌根菌と物質の動態
 1)炭素
 2)窒素
 3)リン
7.おわりに
岡部宏秋先生
岡部宏秋先生講義風景

■ 樹木の分類 講師:濱野周泰(東京農業大学准教授)
   
  植物の分類
「分類」は、(1)種類によって分けること。類別。(2)区分を徹底的に行い、事物またはその認識を整理し、体系づけること。彙類。と説明されている(広辞苑)。ここでは、(2)に位置づけられる分類(classification)を主に対象として話を進めることにする。
   
  濱野周泰先生 濱野周泰先生講義風景

■ 森林生態と物質循環 講師:只木良也(名古屋大学名誉教授)
   
 
気候が決める植生
 気候要因のなかでも、降水量は植生を支配する最も基本的な要因である。降水量が少なく、降水量と蒸発量の差として水の絶対量が不足する過乾燥から、乾燥、半乾燥、準湿潤、湿潤に向かって、砂漠−草原−サバンナ−森林と、植物帯すなわち自然の植生の分布が変わり、準湿潤・湿潤のところで森林が成立する(図1−3)。 全国平均で1700mm以上の年間降水量を持つわが国では、全土が森林成立の条件に当てはまるが、森林の成立を許すほどの湿潤条件を持つところは、地球陸地の1/3に過ぎない。森林が成立するだけの湿潤条件を持つところでは、今度は気温の違いによって異なった種類の森林が成立する(図4)。
 「あとは野となれ山となれ」ということわざ、野とは草原、山とは森林と解釈できるから、砂漠や草原地帯では生まれようもない、湿潤なわが国ならではのことわざである。
 
図 日本の森林帯
図4 日本の森林帯(只木 1988)
   
  只木良也先生 只木良也先生講義風景

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