「ゴルフ場は生きものの里山」 報告
平成23年12月5日14時30分よりサントリーホール「ブルーローズ」(東京都)において、公益社団法人ゴルフ緑化促進会(GGG)主催のシンポジウムが開催され、全国から220名の方々のご参集をいただいた。 GGGは、「ゴルフ場は生きものの里山〜生物多様性を保全するゴルフ場宣言〜」を、ゴルフ関連諸団体と共同で提唱し社会に公表した。
GGG麻生専務理事による開会の辞、大西理事長による主催者挨拶に続き、環境省自然環境計画課の牛場雅己・生物多様性施設推進室長、国土交通省公園緑地・景観課の梛野義明・緑地環境推進室長、財団法人日本ゴルフ協会安西孝之会長より来賓のご挨拶をいただいた。

写真2 環境省の牛場生物多様性施設推進室長

写真3 国土交通省の梛野緑地環境推進室長

写真4 (財)日本ゴルフ協会安西会長
基調講演では、亀山章氏(東京農工大学名誉教授/GGG緑化委員)から「ゴルフ場は生きものの里山」と題し、映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のエンディングに描かれている所はどうやら府中カントリークラブをイメージしているもので、そこで繰り広げられた楽しい話題を例に引きながら、里山の話しやゴルフ場が生きものの生息場所となっているという状況をわかりやすくお話しいただいた。
橋正孝氏(NPO日本芝草研究開発機構理事長/日高CC・大相模CC社長/GGG理事)からは、「ゴルフ場と生物多様性への貢献」をテーマに、自ら経営している2つのゴルフ場における具体的な取り組み事例を丁寧にご説明いただいた。

写真5 亀山氏の基調講演

写真6 橋氏の基調講演
休憩をはさみシンポジウム後半は、パネルディスカッション「ゴルフ場を生きものの里山とする戦略」と題し、 鈴木一也氏(ゴルフダイジェスト社「ゴルフ場セミナー」編集長)をコーディネーターに、田村和男氏(日本ゴルフ場支配人会連合会会長/南秋田CC総支配人)、大江康彦氏(ゴルフ場管理コンサルタント/CGCS)、田中淳夫 氏(森林ジャーナリスト/「ゴルフ場は自然がいっぱい」著者)の3名をパネリストに迎え、ゴルフ場管理の中での里山を意識し、里山的な役割をどのように発揮できるのか、生きものの生息場所としてどのような維持管理ができるのか、1時間半にわたり熱心な意見交換が行われた。

写真7 パネルディスカッション参加の皆様

写真8 基調講演の会場風景

写真9 宣言の表紙
ゴルフ場と生きものとそして里山について、参加いただいた皆様の理解が少しずつ深まったところで、GGG桜井副理事長より、「ゴルフ場は生きものの里山〜生物多様性を保全するゴルフ場宣言〜」、すなわち、「1 生きものの生息地を良好な状態で維持します」「2 生きものとの調和を学ぶ環境づくりをめざします」「3 ゴルファーや地域の人たちとともに生きものとの結びつきを育てます」の提唱がなされた。これに対し、会場からはご賛同の拍手が寄せられた。シンポジウムは、麻生専務理事の閉会の辞により終了した。当日は、全国から多数の方々にご参集いただき、ゴルフ場が地域の特色を活かした生きものの里山を維持しながら、ゴルフをみんなのスポーツやレクリエーションにしていく新しい姿を作り上げようと考えていることをお伝えした。
シンポジウムは、環境省、国土交通省、経済産業省、林野庁、公益社団法人国土緑化推進機構、財団法人河川環境管理財団、日本ゴルフサミット会議16団体のご後援いただき、(財)日本緑化センター、(株)ゴルフダイジェスト社、一季出版(株)が協力した。
写真1 GGG大西理事長挨拶