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樹木は暑さを感じる

(出所:TREES FEEL THE HEAT by MIKE MAY, p.24〜27, WINTER 2001 American Forests)

 

 モンタナ大学の生態学者アンディ・ハッセン氏は次のように語る。「爬虫類や両生類のような、いくつかのグループは、気温と降水量の増加により、合衆国では、より高い可能性を包含する種の豊富さを経験するだろうということを、モデルが予言している。鳥類や哺乳類に関しては、現在の許容範囲を越える暑さにより、合衆国の南部では、豊富さは大幅に落ちるであろうことを予測している。」

 科学者は、森林に気候が誘発した変化の兆候を見ている。無視できないひとつの事例が、ボストン大学の Ranga Myneni 研究所から伝えられている。衛星画像を利用することで、1981〜1991年の間に合衆国北部の樹木の成長時期が2週間程延びていることが発見されたのである。
 我々の疑問は「何ができるか」ということである。真っ先にできることは、省エネと燃料効率のよい器具を購入することによって、化石燃料の使用を減らすことであろう。植樹も役立つであろう。ヒートアイランド・グループによれば、都市に戦略的に樹木を植えることによって、暖房と冷房コストを10〜20%落とすことができるということである。更に、Akbari氏曰く「もしもっと多くの樹木があれば、人々はもっと繁敏に近隣を散歩しようという気になるであろうし、車内にいるより歩こうという気を起こさせるかもしれない。」
 樹木は二酸化炭素を消費することで地球の温暖化に抵抗もしている。インディアナ大学のハンス・ピーター・シュミッド氏と彼の同僚は、現実に森林における炭素の循環を研究している。彼は次のように語る。「北半球の中緯度にある森林は、何年にも渡って炭素を固定する傾向にある。」よってもっと植樹することによって、大気中の二酸化炭素のレベルを下げることになるであろう。ニールソンは、「炭素の固定を促すような森林管理の実践はいずれも必ず報われる。」

森林における炭素の循環

森林では炭素はどこにある?
  30〜55%:生きた樹木
  30〜60%:土中
  10〜15%:下草の中


 新しく植樹することが、やはり大気中の余分な二酸化炭素を減らす最善の道のようである。1,500万本以上の樹木を植えた American Forest's Global Releaf のようなプログラムで、その違いが歴然とした。北米の森林生態系における平均的樹木は、成長の最初の40年間で約1トンの二酸化炭素を固定する。あなたのライフスタイルがいかに地球の温暖化に関与しているのかを見るために、American Forests Personal Climate Change Calculator にアクセスしていただきたい。そこの計算機は、あなたの運転やリサイクルの習慣、電気、ガス、水道、暖房などの利用設備の使用状況を情報として使って、あなたの家庭が一年間に生み出す二酸化炭素の量を算出してくれる。そして、マウスをクリックすると、あなたが放出している炭素量を相殺するのに何本の樹木が必要かを教えてくれる。
 終わりに、二酸化炭素のレベルであるとか、気温であるとか、数字を監視しなくてはならないが、樹木は純粋に算数的解釈である。ジム・クラークがこんなことを言っている。「緑地がもたらしてくれる精神的回復は、見落とされやすい。」我々の世界で引き続き起こっている変化を見落とし続けるなら、緑地を失ってしまうことになりかねないし、それに加えて、快適さそしてそれ以上のものを失ってしまうことになりかねない。

(マイク・メイ クリントン市の自宅で、環境や科学の問題について論じている。)


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