家畜ふん堆肥の需要 前のページからの続き



■山林種苗生産における堆肥利用状況

 山林種苗生産者の全国組織である全国山林種苗協同組合連合会会員のうち、1,500戸を対象に実施し、43都道府県975戸(回答率65.0%)というきわめて高い回答を得ることができた。

 堆肥を利用する作目は山林種苗栽培が多く(61.0%)、次いで山林種苗と緑化樹木の両方の栽培に使用している(15.4%)。一方、現在生産に家畜ふん堆肥は使用していないという生産者が11.0%みられる(図18)。

 10a当たり平均元肥施肥量をみると、牛ふんは、2〜3トンを使用する生産者が最も多く全体の31.4%を占める。次に4〜5トンの生産者が22.9%となる。5トン未満までの生産者がおおむね8割(77.5%)にのぼる。一方、10トン以上の牛ふん元肥を使用する生産者も8.8%みられる。
 豚ふんは、1〜4トンを使用する生産者が最も多く全体の48.7%にのぼる。次いで1トン未満の28.2%となり、この両階層でほぼ8割(76.9%)を占める。鶏ふんは、0.2〜0.6トンを使用する生産者が最も多く全体の33.7%を占める。次に0.6〜1.0トン使用する生産者が13.1%となり、1.0トン未満層まででほぼ6割(56.3%)である(図19〜21)。バラ・袋詰をあわせて10a当たり平均施肥量を計算すると、各々牛ふん4.98トン、豚ふん3.29トン、鶏ふん1.87トンとなる。

 アンケート調査票では、堆肥の入手先を「堆肥生産者」「農協」「堆肥メーカー」「その他」の4項目の選択肢を設定した。しかし、その他に具体的記述の回答が多数出現したため、「自家」「畜産農家・業者」「肥料販売業者」の3項目を新設して集計を行った。それによると、堆肥の入手先は堆肥生産農家(33.6%)、農協(22.8%)、自家(19.1%)の順となっている。ただし、回答者の中で、堆肥生産農家と畜産農家とを混同していることも考えられる(図22)。


堆肥を利用する作木

10a当たりの鶏ふん元肥施肥量
10a当たりの牛ふん元肥施肥量

堆肥入手先(複数回答)

10a当たりの豚ふん元肥施肥量


 

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