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 アンネフランクゆかりのセイヨウトチノキが伐採されることに
   アムステルダム市役所によると、2年以上の間、アンネ・フランクの屋根裏部屋のある家屋に緑陰を与えていた、運河に沿った倉庫の後ろにある中庭のセイヨウトチノキが取り去れることになった。木材腐朽菌に感染し、葉もぐり虫に加害された樹木は急速に衰えつつあり、材は腐朽し、根と樹皮は再生しない。当市で最も古いセイヨウトチノキは、母樹から育てられた稚樹と置き換えることによって生き続けることになっている、と報道は伝えている。
     
 1942年から1944年にかけてナチから隠れ、彼女に安息を与えたアムステルダムにあるアンネ・フランクの屋根裏部屋の窓から見える古いセイヨウトチノキが病気になり、腐朽したため、伐採されなければならないと市役所は語った。専門家の推定によると樹齢は150〜170年という。小さなアパートを保存しているアンネ・フランクの家博物館は、セイヨウトチノキから接ぎ木を作り、後継樹を育てようとしている。アンネ・フランクは彼女の日記の中で何回かその木のことにふれていた。「ほとんど毎朝息詰まる空気を私の胸の中から吐き出すために屋根裏部屋へ行く」と1944年2月23日に書いていた。
 
アンネ・フランクが屋根裏部屋から眺めていたセイヨウトチノキ
(KOEN SUYK/GETTY IMAGES)

「床の私の一番好きな場所から、私は青空と落葉しているセイヨウトチノキを見上げる。その枝の小さな雨滴は銀のような趣でお日様に輝き、カモメや他の鳥たちは風の中を音もなく流れる。この木が存在する限り、私は思いを馳せ、私はこの日の輝き、雲一つ無い空を見るために生きていても良い。これが続く間、私は不幸ではないに違いない」

アンネフランクハウスのホームページ:http://www.annefrank.org
セイヨウトチノキの動画:http://www.annefranktree.nl/index.aspx?lang=en
     
 
出典:
American Forests WINTER 2007 p.14/NEW YORK The Sun Feb. 15,2007/The New York Times Feb. 15,2007